第1回 学生座談会企画

医学部学生が実際に臨床現場で働いている先生方にお話しを聞く企画

マッチングや病院選びなどの経験談を座談会形式で聞いてみました!

 

第1回目は帝京大学医学部附属病院で働いている3人の先輩方にお話しを伺いました。

お話頂いた先生方

松井玲奈先生

2020年度卒

3年目/腎臓内科

林くらら先生

2021年度卒

2年目/初期研修医

伴祥太郎先生

2021年度卒

2年目/初期研修医



——早速ですが、先生方は研修先として帝京を選ばれたということですが、研修先を選ぶ基準や決め手はどのようなことだったのでしょうか?

松井:私は、当初はいわゆるマイナー科も志望科として考えていたので、幅広い診療科が揃っているという意味で大学病院での研修を考えていました。都内だけでなく地元の関西にも見学に行ってみたのですが、実習中に先生方に熱心に指導していただいたことや施設の綺麗さが決め手になって最終的に帝京を選びました。

 林 :私は帝京も含めて45箇所の見学に行きました。そうすると、設備だったり環境だったり、帝京の良さに改めて気づくことができたんです。特に、帝京は横の繋がりがとても強いなと感じました。実際に患者さんを診ていると、ひとつの科で治療が完結しない場合も多いので、その点は大きかったです。

伴 :僕はラグビー部に入っていたので、知っている先輩がたくさんいるということが帝京の魅力だと感じていました。それもあって「帝京でいいや」と気楽に考えていたので、松井先生や林先生に比べると簡単に決めてしまったかもしれません。でも実際に研修を始めてみると、知っている先生が近くにいて何でもすぐに訊けるというのは有難かったですね。縦の繋がりも大切だと思います。

林 :そうだよね。いきなり知らない人だらけのところに行くより安心かな。

松井:でもいろいろ言ったけど、本当の最初の取っ掛かりはもっと単純なことで良いと思います。アクセスの良さとか、周りの街の雰囲気とか。

 伴 :確かに。僕は帝京と家が比較的近かったから、アクセスがネックにならなかったっていうのも大きい気がします。

 林 :あとは、研修医の人数とか当直回数なんかも比較しやすいよね。いろいろ比べてみて、ここは譲れないっていう条件を明確にすると良いと思います。

 

——では、マッチングに向けてどのような動きをされたか教えてください。

松井:最初に動いたのは5年生の春です。レジナビフェアに行って1日かけて様々な病院のブースを訪問しました。そこで気になった施設に夏頃から見学に行きました。その後は地元で開催されているレジナビフェアにも行って、また見学に行って…という感じでした。レジナビフェアはいろんな病院の話を聴ける機会なので、それを利用して気になる病院を見つけるっていうのは手だと思います。

 林 :私の場合は、本当に気になる病院には何回か見学に行くようにしていました。1回の見学だけでは分からないことも多いので、1回目は全体の雰囲気を見る、2回目は自分の志望科を見てみる、3回目は施設・設備に注目する、というようにその都度ポイントを絞っていました。

松井:すごい!そこまで綿密に計画立てて行く人は珍しいかも。

 林 :回数を重ねるうちに見学に慣れて、自分なりのポイントを掴んで進められました。でも最終的にどこに登録するかは最後の最後まで迷いました。

伴 :さっきも話した通り僕は帝京しか考えていなかったので、見学にも行きませんでした。成績が良い方ではなかったので、周りの人があちこち見学に行ったり対策を練ったりしている時間を勉強だけに使えたのは、自分に合っていたと思います。

 林 :確かに、学内でも卒試が控えている中でマッチングの動きも並行して…というのは、想像以上にバタバタしました。実際私は、卒試の2日前にあった試験はスキップしました。結局のところ卒業できなければ意味がないと思ったので。

 

貴重な体験談を和気あいあいと後輩のために楽しく話して頂きました

——帝京を受けるための対策はしましたか?

 林 :特別なことはしていませんが、実習態度は気をつけるようにしていました。

松井:私も、卒試やOSCEの結果も先生方には分かってしまうので、見られても困らない成績は取れるように頑張りました。

 伴 :研修を始めてからの人間関係にも関わることだから、実習の態度とか取り組み方は今のうちから意識するに越したことはないよね。

 林 :そうそう。実際にどこまで考慮されるのかは分からないけれど、気をつけておいて損はないと思います。

 

——実際に帝京で研修をしてみていかがでしたか?良かったところや予想外だったところなどを教えてください。

松井:とにかく先生方が優しい。何を訊いてもすごく丁寧に教えてもらえるから、分からないことがあっても声をかけやすい環境です。何か手技をするときも、必ず上の先生の監督の下で研修医にやらせてくれます。

 伴 :他の病院だと、医師としての専門性を高めることを重視していて、医師以外の職種ができる手技は全くやらないところもあるみたいです。そういう意味で帝京は、初歩的なところから何でもやらせてもらえるところだなと思います。

松井:いろんな診療科がある分、幅広く何でもできるよね。

 伴 :例えば外科の中でも、消化管・呼吸器・乳腺…みたいにたくさんのグループに分かれているから、満遍なく学べるというのも帝京の良いところ。帝京にいるとそれが当たり前に思えるかもしれないけど、ここまできちんと揃っているのは恵まれていると思います。

松井:2年目の自由選択でも様々な科から選べるので、志望科が決まっている人にとっても決まっていない人にとっても有意義な研修ができると思います。希望もできるだけ通るように調整してもらえます。

 林 :逆に悪かったところって何かあるかな。

 伴 :デメリットと言えるかは微妙なところだけど、最初の3週間が…

林 :あぁ、ガイダンス期間ね。()

 伴 :そう、3週間はひたすらガイダンス。その期間が他の病院に比べると長いのかな?他の病院に行った同期は、あんなことしたこんなことしたって言ってるのに自分はまだ現場に出てないっていう焦りはありました。

松井:しかも、現場に出たら出たでGW明けから当直が始まって、何もできなくて更に焦るみたいな状況でした。

 林 :当直開始がもっと遅い時期の病院もありますからね。

松井:うん、最初は採血するにも自信がないのに当直って感じ。でもさっきも言った通り、2年間を通して考えたら何でもやらせてもらえます。

 伴 :今は他の病院に行った同期とも大きな経験の差はないはずです。

 林 :結局は自分のやる気。市中病院に比べてできることが少ないわけではないし、何かやりたいですって言えば先生方も教えてくれます。その人次第でどんな研修にもできるから、帝京生にとっては帝京で研修するのは“無難な選択”って言葉が当てはまるかな。

松井:自主性を重んじているので、ハイパーにするのもハイポにするのも自分次第だと思います。

 伴 :あと気になるところといえば、やっぱりお給料かな。

松井:そうだね、市中病院に比べて少ないし住宅補助もない。私の場合は、あと2年だけと思って、家賃は親に払ってもらいました。

 伴 :先輩や先生から「帝京の研修医は給料が低い」と聞くと不安もあると思うけど、最低限の暮らしはできるということはお伝えしておきます。もやししか食べられないとかではないです。()

 

——最後に、帝京生に向けてメッセージをお願いします。

林 :マッチングも含め、卒業に向けた動きは本当にたくさんあります。勉強や病院見学以外にも、面接の練習とか小論文の対策とか…。6年生になると卒試や国試の勉強に追われて精神的にも辛くなってくるので、少しずつでも早めに動き始めることをおすすめします。

松井:勉強は実習のペースに合わせて5年生のうちからコツコツしておくと良いと思います。私の学年はちょうど6年生になる頃にコロナが流行りだして、病院見学も中止になったりオンラインになったりしました。これから先も何があるか分からないので、勉強もマッチング対策も前倒しで進められるように頑張ってください。

 伴 :もちろん息抜きも大切にしながらね。

 林 :そうだね、たくさん遊んでおくのも大切!

 

松井:あとは、これを読んでいる学生さんで附属病院に来るか迷っている人がいたら、ぜひ待っていますと伝えたいです。


いかがでしたか?今回は帝京大学医学部附属病院で研修してみたいという人には特に参考になったのではないでしょうか。

聞いている私たちも大変参考になりました。

ご協力いただいた3人の先生方、ありがとうございました!

今回インタビューに参加した学生

野添瑞貴

医学部医学科5年生

福嶋梨沙子

医学部医学科5年生

坪井栄希

医学部医学科5年生